日本アニメーター・演出協会(JAniCA)の調査では、
20代アニメーターの平均年収は
約110万円。離職率は8~9割とも言われる。
アジア各国への業務委託に加え、
技量の高い若手が育たない「空洞化」が進む。
この苦境、メディア芸術総合センターは目をつぶるのだろうか。
「中小の制作現場は助成を必要としている」と言うのは
津堅信之・京都精華大准教授(40)=アニメーション史。
センターの意義も認めるが、資料集めは「国でなくてもできる」と批判的だ。
「何の役にも立たない」と切り捨てるのは、「機動戦士ガンダム」などのヒット作を
手がけたアニメーターで漫画家の安彦良和さん(61)。
「アニメは“雑草”のたくましさで育ってきた。放っておいてほしい。
国の助成には、表現を規制される 懸念もある」と話す。
有効活用を願う意見もある。
JAniCAは23日、「センターをアニメ人材育成の拠点に」と自民党に提言した。
たとえ批判でも、アニメに注目が集まっているのを好機ととらえた。
桶田大介監査理事(33)は「選抜した若手を(センターの)常設スタジオ
で指導する。観光客が生の制作工程を見られるようにしてもいい」と提言する。
センターはアニメの資料収集・展示や調査研究を担う、
と文化庁報告書は定めるが具体的な中身は白紙だ。
今後を審議する検討会メンバーでゲームクリエーターの
石原恒和さん(51)は
「予算規模は117億円。テーマパークのアトラクション1個程度なのだから、多くは欲張れない」
と懐疑的だ。
人材育成に業界再編……。課題は山積だがいずれにせよ、
「単なる箱物にしないでほしい」
との思いは現場に強い。「
あと5~10年で、次世代育成が不可能になる」とJAniCAの桶田さん。
残された時間はわずかで、危機感は切実だ。
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